今思うと、ハンコ屋の開店は、はっきり言って冒険でした。
今や印鑑というのは、機械彫りがほとんど主流です。
一般的な彫刻士であっても、機械に頼るのが現実です。
あなたもきっと見聞きしたことが、ないかもしれませんが、
印鑑の手彫り工程は煩雑で、熟練を要します。
そのうえ、細やかで、急ぎの場合は、手っ取り早くできるため、
機械彫りに頼ってしまうのが現状です。
だけど、伝統工芸士が、完全手彫りとなると、実印だけでも、
印材やサイズによりますが、20~50万円になります。
もっと高いハンコ屋は、80万円します。
ハンコ屋を開店したとしても、
これでは、めったに売れませんよね。と、なると、せっかくの
技術が衰退の一途、さらには弟子も来ないし、値上げする?
この現実を知った時、私は愕然となってしまった。
周りの人達は、「ハンコは売れない」と、反対意見が多数でした。
しかし、気を取り直し、匠に向かって、「私が、売って売りまくるから、
値下げしてくれ!」と、大ゲンカになってしまった(笑)
匠も「いくら売るの?」と、喰い下がってきます。
結果的には「売る責任」を約束したのです。
さあ、私のハンコ屋は、勝利するための戦いです。
「機械の導入だ」と、競合手は言うでしょう。
しかし「そんなことは絶対できない」と、私は言います。
その理由は、印鑑が唯一無二でなけけばならないからです。
それが、日本の伝統の守ってきた文化だとの信念です。
自身の権利や財産を守る方法は、昔も今も変わらないのです。
開店してから、売上もなく辛い日々が続きました。
「お客様のために何ができるか」「どんな力になれるのか」と、
真剣に考えました。
そうだ、「ハンコは大切な名前を扱うんだ」「姓名判断を無料
サービスにしよう」と、取り組んだのです。
すると、喜んでくださったお客様の紹介が増えてきて、
売上も徐々に上がってきました。今でも、感謝しております。
そんな時、
NHK「おはよう日本」(画期的システムで売り上げ減少にはどめ
・・・その理由とは?)で、特集されました。
詳しくは
「はんこ太眞屋」と、検索してください。